漢方薬・生薬認定薬剤師 2021年 問3
問3 瀉下剤とその構成生薬について、文中の( )内に当てはまる適切な語句を解答欄から選び、記号で答えなさい。
瀉下剤の中心となる承気湯類は、いずれも体内に熱がこもり、そのために便が強く秘結した症状の激しい便秘に用いる。(【14】)は、天然の含水硫酸ナトリウムである(【15】)で消化管内の浸透圧を高め、下焦の水(陰)を消化管内に集めることにより塩類下剤として腸内に潤いを与えながら(【16】)の腸管刺激作用により便秘を解消する。(【17】)は理気降逆作用により瀉下作用を強めている。実証体質の人の腹満・急性便秘に使用することが多い。
一方、(【18】)は、陰が不足して潮熱する人に対して、あるいは高齢者の下焦の陰を損傷することがないように【15】を除いた方剤であり、(【19】)は瀉下作用の行き過ぎを抑制するために【17】を除き、腹部の引きつりや痛みを抑える(【20】)を加えている。また、駆瘀血剤の範疇に入る(【21】)は、(【22】)に含有される油性成分により糞便を軟化する潤下作用、身体を温める(【23】)が入っていることで熱性の便秘に用いる承気湯類とは一線を画している。
解答欄
a 大黄甘草湯 b 小承気湯 c 大承気湯 d 調胃承気湯 e 桃核承気湯 f 潤腸湯 g 麻子仁丸 h 桂枝加芍薬大黄湯 i 芒硝 j 厚朴・枳実 k 甘草 l 桂皮 m 大黄 n 桃仁 o 杏仁 p 麻子仁
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【解答】
【14】c 大承気湯
【15】i 芒硝
【16】m 大黄
【17】j 厚朴・枳実
【18】b 小承気湯
【19】d 調胃承気湯
【20】k 甘草
【21】e 桃核承気湯
【22】n 桃仁
【23】l 桂皮
【解説 】
・承気湯類について…
「気」を「承」る → 気を巡らせる
承気湯類に含まれる大黄や芒硝などの生薬は、胃腸の働きを助けるとされています。
〈選択肢にある各方剤の構成生薬〉
f 潤腸湯:大黄、甘草、桃仁、枳実、厚朴、地黄、当帰、 黄芩、 杏仁、 麻子仁